ロシア 今度は米出資先標的 “従順”石油最大手に圧力

まずは外資が入っているところを狙うというのはあまりにもあからさまで、こんなに分かりやすいことをしたらかえって対抗措置をとられやすいんじゃないだろうか? なんでも強権であれば順調に行くというものでもないだろうに。体制側の意向は分かったとして、それでも各国政府や企業の対策や出方も含めたこれから先の見通しはなお不透明化が進んでいくように思われる。


ロシア 今度は米出資先標的 “従順”石油最大手に圧力

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン政権が今度は、同政権に従順な民間石油最大手ルクオイルが所有する有力な油田の権益剥奪(はくだつ)に向けて動いていることが17日までに明らかになった。日本の商社も参加するロシア極東の天然ガス開発事業「サハリン2」など外資への「脅迫」に次ぐものだ。同政権は、外貨の稼ぎ頭である石油部門の完全な国家統制をもくろんでいるとの見方が有力になってきた。

 同国天然資源省監督局のミトボリ副局長が13日、記者会見で「環境破壊が行われている」などとして、同社が北部のコミ共和国やハンティマンシスク自治区などに権益を持つ、合わせて19カ所の油田の開発許可を取り消す可能性があることを明らかにした。

 同副局長によると、これらの油田では、森林伐採や違法道路建設などの環境破壊が行われているほか、油田の開発計画も予定よりも大幅に遅れているとしてルクオイルを非難した。

 ルクオイルは、旧ソ連崩壊後の国有資産民営化の大混乱の中、ほかのロシアの石油会社と同様に設立され、同国最大の産油量を誇るまでに成長した。反政権的な姿勢を示した同じ民間石油大手のユコスが巨額脱税などの罪で倒産に追い込まれてからは、政権に政治的な絶対服従の姿勢を示し、同社の将来は安泰だとみられてきた。

 しかし、「ルクオイルに次ぐ規模となった国営石油ロスネフチが、ルクオイルが失った権益を獲得し一層巨大化することになるだろう」「いとも簡単にユコス資産を飲み込んだ国営会社の食欲が尽きることがない。ルクオイル以外の民間石油の運命も危うい」など、憶測が飛び交っている。

 ただ、専門家たちは当面は、米系コノコ・フィリップスが20%を出資するルクオイルと、英系ブリティッシュ・ペトロリウムとロシア側との合弁会社TNK-BPら、外資を導入したロシア資本が標的になるだろうと推測している。

 また、「サハリン2」については、「ロシアの天然ガス独占企業体のガスプロムに権益の一部を譲渡すれば、政権側からの攻撃は止む」という見方はある。

 しかし、ルクオイルへの攻撃の裏には、「外資との協力は必要だ」(プーチン大統領)という言葉とは裏腹に、石油・天然ガス事業の主導役としてロスネフチとガスプロムの2大国営企業をさらに巨大化させ、エネルギー分野を独占しようとする政権側の野望が透けて見え始めた。
(フジサンケイ ビジネスアイ) - 10月18日8時32分更新

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